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2009-08-22 17:01:23

日本PTA全国協議会会長の不法発言は、看過できない

テーマ:PTA

現在、文科省に対して問い合わせ中で、来週回答をもらうことになっている問題の一つに、日P会長の不法発言の件がある。
文科省との対話(0)にあげてある【質問5】である。

再掲する。
【質問5】(【質問4】に関連して)何年か前の日Pの会長がアメリカのPTA協会(?)会長との対談で、「日本のPTAは全員加入である」と断言している(日P広報に掲載)。この発言は不適当と思われるが、日Pを管轄する文科省の担当部局として何らかの指導を行ったか? 行っていないなら、今後行うつもりはあるか?


以下、この件につき、具体的に整理しておく。

問題発言を行った会長は、赤田英博氏。この方は、歴代会長さんの中でもやり手らしく、通常1期で終わるらしいところを6期も務めている(02~05,07~08年度)。また、「中央教育審議会会員として、日本の教育に対して積極的に意見を述べている。」とのこと。
http://benesse.jp/berd/berd2010/feature/feature02/akada_01.html

この赤田氏が問題発言を行ったのは、日本PTA全国協議会が年4回発行する広報紙「日本PTA」(文科省からの補助金を受けている)301号において。

301号には、アメリカにおいて日Pと同じような働きをしているナショナルPTAの前会長(ヴァージニア・マーケル氏)との懇談時における赤田氏の次のような発言が紹介されている。

*****
――日本PTAとの違いについて――
日「 ナショナルPTAに入らない保護者はいるのですか?日本は子どもが学校にいる間は すべての保護者がPTA会員です。」
米「 子どもでもなれます。誰でもオープンです。ナショナルPTAは子どもがいなくても入れるのです。」
日「会費の集め方は?日本の場合は毎月の会費の中から年に一度、日本PTAへ入ってきますが…。」
米「ナショナルPTAにサインアップすれば、自動的にその学校のPTAメンバーになれます(ナショナルPTAのみの人もいますが)。賛同して入っているので、1ドル75セントの会費を払っているという認識はあります。」
日「日本の場合は、強制的に入っているので、6円。日本PTAへ払っているという認識はありませんね。それにしても、会費収入の差は大きいですね。」
米「ナショナルPTAのことを解ってもらうために、300万ドルもかけてコマーシャルを製作しています。」
*****

どうです?
「日本は子どもが学校にいる間は すべての保護者がPTA会員です。」
(賛同者が入るアメリカのPTAと違い)「日本の場合は、強制的に入っている」



氏の言っていることは、東京のように日Pの会員でない保護者がわんさかといるところもあるので、まず事実誤認もはなはだしい。そして、PTAの法令上の位置づけを無視するものであり、一人一人の保護者の「思想信条の自由」をやすやすと踏みつけにもしている。

【事実をよく観察する】
【社会のルール(法令)を守る】
【人権を大切にする】


生意気なことを言うようだか、このような社会人としての基本が、赤田氏のこの発言からはまったく感じられないのだ。
「日本の教育」、「子ども達の教育」を心配する前に、まずはご自分の「育てなおし」をした方がいいのでは?と、自分のことは棚に上げてご忠告申し上げたくもなるのだ^_^;。


まあ、赤田氏の個人的な問題はともかく、この日P広報紙の不法発言は、とても看過できるものではない。
『日本PTA』の発行のため以外にも日Pには、文科省から毎年毎年莫大な金銭的援助がなされている(これはすべてわれわれの税金ですよ!)。
日Pの歴代の専務理事は、確か文科省出身のはずだ(違いますか?)。


何よりも問題なのは、氏のこの問題発言が「現実離れした単なる失言」ではなく、ある意味、日本の『実態』とリンクしていることだ。
そう。確かに、彼が言うように、日本のPTAは、【保護者を総動員する強制性】を持っているのである。だからこそ、八木山小のPちゃんのような暴言もまかり通るのである。

彼の発言を看過するということは、そのような違法性のある「実態」に目をつぶり、どころか、お墨付きを与えることになってしまうと思うのだ。


前回の文科省担当者との話し合いの感触では、日Pおよび赤田氏に対して何らかの指導が行われた形跡はないようだ。(これは、来週はっきりする。)
考えてみれば、赤田氏が会長を務めたのは、02~05年度と07~08年度との二回に分かれるわけだが、問題発言があったのは、確か任期一年目の年度末近く。その後、彼は「例外的に」任期を重ね。それどころか、「返り咲き」も果たしているのだ。
どうも、こういう彼のスタンスは、指導の対象と言うよりも、評価の対象になったようだ、と言いたくもなる(笑)。

Pちゃんといい、赤田氏といい、よ~く反省してほしいし、文科省の責任は重いと思うのだ。


なお、杉並区立和田中学のPTA廃止が社会の注目を集めていた時、
PTAは保護者の教育という大きな目的がある。脱退したらその役割はどこが担うのか疑問
(2008年5月21日読売新聞)
と、日P会長として言い放ったのも、赤田氏である。




1 ■異常な事態
組織の幹部がずっと同じ人っていうことは大問題で、どんな組織であっても腐ってくると思うのです。とんでもない話ですね。・・・って、PTAのことなど、今まではほとんど考えずに生きてきたので全く知りませんでしたが。
その垢ダさんとかいう人がそういう考えだから今のPTAがこうなのか、PTAに染まって現状追認をしているのか、どっちにしろ、とんでもない話ですね。ムカムカ


2 ■同じく、ムカムカ
その「朱ナントカ」氏の発言やら状態やらには、ただただ、不快感を感じるのみです。
オリンピックのサラマンチ氏ではありませんが、組織は腐るで、ホンマ。権力とお金は魔物です。

西東京市在住のママ友がいらっしゃいますが、「隣の学校は小規模でPTAが運営できないため、PTAはないよ~」とのお話を伺っています。
少ない見聞でも、PTAのない学校、確かに存在します!
まるおさんのおっしゃるとおり、事実をありのままにみられないひとが、組織のトップにいてはよろしくありません。

3 ■コメント、ありがとうございます。
>TSS_Pさん
ある意味、氏は「ホンネとタテマエの使い分け」ができない正直で一本気な方なのかなと思っています。
みんなが内心では「そう(強制参加)だろうな…」と思っていたことを堂々と言い放っただけ、と言いますかね。

>猫紫紺さん
カワバタさんも紹介してくれているように、西東京市にはPTAのない学校がいくつかあるようですね。さらに、全国的には珍しいようですが、東京には、「日Pには属していない単P」がたくさんあるんですよね。
当地の小中学校にはPTAがありますが、日Pには一校も属していません。
その他の区や市にも同じようなところがたくさんあると聞いています。
どこかで、日Pへの都道府県別の加入率を見た記憶に基づいてお話しました。

ちなみに、氏は、現在は日P会長ではありません。

明日と明後日、群馬の温泉(草津)へ羽根を伸ばしに参ります(嬉)。
では、では。

4 ■政権が交代したら…。
政権が交代したら、
PTAも少しは良くなるのかな…?

リベラルな教育改革(規範教育の転換)も
進むといいけどなぁ…。


だって…。

文科省の規範教育(ムラの尊重)って
「 洗脳教育 」みたいだし…。
                       (´・ω・`) 
 

5 ■たったの6円と言いたいのでしょうか
>日「日本の場合は、強制的に入っているので、6円。日本PTAへ払っているという認識はありませんね。それにしても、会費収入の差は大きいですね。」

これには、特に頭に来ますね。日本の多くのPTAの場合、入会の意思の確認がなされておらず、しかも学校でたったの6円だけの請求なんてのはないにも関わらず、この人はいったい日本のPTAの何を相手に教えようとしているのでしょうか。しかしながら、『日本PTAに払っているという認識はありませんね』はいかにも会員を馬鹿にした言い方ですね。こんな人が日本PTAの代表者なんですね。こんなところに税金が使われているなんて本当に腹立たしいです。

6 ■補足です…。
ばたやんさんのところ、
自民党の人たちが仕切っているみたいだけど…。

村八分にされちゃったみたいだよ…。


こういう教育をしてるから、
日本はダメになるんだよね…。

7 ■Re:政権が交代したら…。
>里山たぬ子さん
政権交代は、リベラルな教育改革を行うためのチャンスではあると思っています。
だけど、それを生かすも殺すも…というところがあって、用心が必要だし、今までどおりというか、それ以上に声をあげていく必要があるんじゃないかな(?)。

8 ■Re:たったの6円と言いたいのでしょうか
>柳下玲優さん
「一人6円」だって、日本中から集めれば6億円を超えるわけですし、安ければ他人の懐に黙って手を突っ込んでいいことにはなりませんよね!

>この人はいったい日本のPTAの何を相手に教えようとしているのでしょうか。(柳下さん)
まったくです。

アメリカのPTAが、教育関係団体としてきわめてまっとうな活動を展開しているのに対して、何で日本はこんな異常なことになってしまっているのでしょうかね?
懇談での日・米双方の説明を読むと、痛感させられます。
日本は、思想信条の自由が尊重される、民主主義国家ではないのでしょうか?

そして、なによりも「異常」だということの自覚がないのも困ったものだと思います。