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2009-10-08 22:43:40

「自動加入」のPTAを百も承知で「優良PTA」として県や文科大臣に推薦した教育委員会の責任

テーマ:PTA
現在、タイトルの問題を追及中。
3日の記事6日の記事でも触れています。

神奈川県と県下の市町村PTAは、優良PTAを選出するにあたり、調査用紙により加入方式が「任意・自動」のいずれかを問い、どころか、記載例としては「自動」のほうを示しているのだ(後者の点は横浜市に限り確認)。

本日話した横浜市教委の方(男性)は、「他意はありません。」とおっしゃるのだが、
横浜市が県に推薦した優良PTAは全9校。うち、「自動加入」と答えている学校は、9校。
神奈川県が文科大臣に推薦した優良PTAは全7校。うち、「自動加入」と答えているのは、4校。

どちらの教委の担当者にも、その不適切性を説き、どうしてそのようなことをしているのかと問うと、ともにあまり悪びれることなく、
「基本は任意加入ですが、ご存知のように、多くのPTAで実際の運営が自動加入になっていますよね…。その実態を踏まえまして…」
などとおっしゃる。

「実態はそうなのかもしれない。しかし、それを追認するばかりか、優良PTAとして選出するなどとは一体どういうおつもりですか!」と思わず声を荒げてしまった。
「いったい御教育委員会に社会教育主事はいらっしゃるのか。いらっしゃるとしたら、彼らは何をしているのでしょう。」とも問いかけたのだが、事務局を含め教育委員会全体としても、そのような不適切な実態を認識していたのならば、それを是正しようと努力するべきではないのか。
(ちなみに、社会教育主事は、横浜市教委に18人、神奈川県教委に4人いらっしゃるとのこと。)

消防士が火に油を注いでいるのだ。


優良PTAの表彰要項には、次のように述べられている。
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1 趣 旨
PTAの本来の目的・性格に照らし,優秀な実績を上げているPTAを表彰し,PTAの健全な育成,発展に資することを目的とする。
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平成21年度 優良PTA文部科学大臣表彰要項

「PTAの本来の目的・性格」には「任意加入の組織」であるということが含まれていることは、これまでに議論してきたとおり、法令や通達等に照らし明らかである。その「本来の目的・性格」からそもそものところで逸脱しているPTAが、PTAの「健全な育成、発展に資する」はずがないではないか。
10.3の記事で、「任意以外の方法があるなどとはこちらとしては、想定していない。」という文科省担当者氏の発言を紹介しているが、その担当者氏は、「優良PTA文部科学大臣表彰」の選考担当でもある。

今年推薦されている横浜市の9校すべてと、神奈川県選出の4校は、この選出要綱のトップに掲げられている「趣旨」にそもそものところで違反しているのである。
(なお、県選出の4校の中には、横浜市の学校も含まれているとのこと。)

上掲の要項のラストには、次の一条がある。
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5 その他
被表彰候補団体から虚偽申請等があった場合は,選考・決定を取り消すことができる。
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文科省に確認したところ、「自動加入」の団体であることは、国に上がった資料には一切記されていないとのこと(加入率100%の部分のみ言及)。
これは広義の「虚偽申請」と言えないだろうか?
また、要項には「虚偽申請等」と「等」が付されていることも注目される。

両教委には、今回発覚した案件についてのよりくわしい説明を求めるとともに、厳重なる抗議(反省と今後の改善策の提示の要求)を行っているところである。
「PTA自動加入体制」に「お墨付き」を与えてきた罪は極めて重いと思うのだ。


ことは「優良PTA」選出のテクニカルな問題なのではない。
PTA問題の「黒幕」としての教育行政の姿の、その一端が露顕したのだと思っている。

(おまけ)
今回は、県と市の問題を取り上げたが、文科省が用意している調査用紙--それにはさすがに「任意・自動」といった調査項目はない--も、実は「黒幕」としての問題性に満ちていることに気づいた。

私は、これまで、PTAから無駄な仕事がなくならないのは、「必要と考えるものが保護者により違う」からだと考えてきた。そういう側面があることも確かだと思うが、今回、文科省の用意している「被表彰候補団体調査票」を入手し目を通してみて、端的に言って、文科省が「無駄な仕事」を奨励してきたのだなと考えるようになった。
神奈川県や横浜市は、文科省の意向の下、ある意味、ちょっと頑張りすぎたにすぎないとも言えると思うのだ。

「黒幕」の「黒幕」の責任。これも引きつづき考えていきたいと思っている。
(この点についてのもう少し詳しい話はまたいずれ。)





1 ■「黒幕」の「黒幕」
まるお様>
連日の御奮闘、本当にお疲れ様です。

文科省による誘導の実態は「学校評価制」と現在当地で問題になっている「指導カルテ」でも見られるようです。
http://blog.canpan.info/futoukou-oki/category_13/
(沖縄県教育庁「子ども理解のための指導・支援カルテ」作成根拠。 [2009年08月11日(火)])

すでにご存じかとは思いますが、「指導カルテ」の問題を追及するこの団体の存在を知ったのは FJN様のご教示によります。

このように責任を追求する方(団体)がいらっしゃることが今の私の支えになっております。

教委や文科省担当者の不作為について、追求するその日を夢見て、私も頑張ります。

2 ■「黒幕」の「黒幕」の「黒幕」
確かに、
黒幕の黒幕は 文科省 だけど…。

黒幕の黒幕の黒幕は
日本の文化 じゃないのかなぁ…。

3 ■Re:「黒幕」の「黒幕」の「黒幕」
>里山たぬ子さん
「黒幕」の「黒幕」の「黒幕」が日本文化ならば、その文化施策への理解を増進するのは文化庁役割です。
親分は文部科学大臣なので、「黒幕」の「黒幕」の「黒幕」の「黒幕」はやはり文科省(大臣)でせう。

ちなみに、文化庁長官の今年度あいさつによると、
「今こそ、この日本に住むひとりひとりが様々な形で力を合わせて、豊かで魅力ある文化の国づくりをするときが来たと改めて強く感じています。」
としております。
PTAも日本の大切な文化なのでせう。
魅力ある日本の姿として世界に発信するつもりなのでせう。

4 ■無題
うん…、
最終的な責任を取るのは
やっぱり、ここ(文科省)だろうなぁ…。


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