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2009-10-09 20:43:48

平城東中学校長先生との話し合い

テーマ:PTA
10月6日(火)の文科省との話し合いの中で、担当者氏が
「やっと奈良市P連と連絡が取れました。事務局長さんが言うには、『PTAとして区別なしに学校の子ども達にあげている。そういう学校が大方だと思う。』と。そうでないところは?と問うと、『実費をもらって対処している。』そういうお返事でした。」

当方が、「もしも非会員の保護者の方から反応がなければ、どうなるんですか?」と問いかけると、「確かに、卒業式の場で差をつけるのは望ましくないですね。私も、個人的にはそこが心配で…。」
「で、市P連事務局長さんは、なんかしてくれそうなんですか?」と聞くと、「いえ・・」。

「まあ、いくらなんでも、もしも保護者からの入金がないときは、学校のほうで何とかするのかもしれない。しかし、釈然としませんね…。」

「・・・。」

まあ、こうして仙台と同様、市P連に事実確認を入れていただいても、残念ながらあまり進展はしなかった。

で、本日、奈良市立平城東中学に問い合わせをしてみた。
校長先生にご対応いただいた。
市P連事務局長を通して、この案件にクレームをつけている人間がいることは承知されていたが、「うちのやり方で、問題はありません。」といやにはっきりとおっしゃる。
私が、保護者に配布された「文書」の不適切なところを指摘すると、「いえ、実際には、ちゃんとやっております。今までうちの学校で記念品をもらえなかった生徒はひとりもいません。ちゃんと、役員さんや、担任や必要なら自分も保護者の方に説明し、払っていただいています。」

いったいうちのやり方のどこに問題があるのかといった勢いであった。

「いえ、保護者に配布された文書を見る限り、今年から方式が大きく変わり、役員は一切手を引くと書いてありますよ。文書の内容を校長として把握されていますか?」とややこちらも興奮し、問いかけた。
「会員と非会員の『区別』のためというのも、とても引っかかります。非会員の親がPTA主催のバス旅行に参加できない。そういう意味での「区別」なら分かるが、ことは卒業式という重要な学校行事での生徒に配布される記念品の問題ですよね。」とさらに「文書」の問題を指摘した。

「いえ。だから、生徒を差別するようなことはこれまでも一切やってこなかったし、これからも一切するつもりはありません。」とのこと。
これは、校長先生の本当のお気持ちであろうし、そこに偽りはないと感じた。
また、今年からやり方が変わったのは、役員さんのほうから、「たいへんやから、学校で代わってくれへんか?」との要請を受けてのものなのだと。


「そうですか。こちらが、一番心配していた生徒さんがさびしい思いをするのではないかという心配が解消され、そこは、納得しました。しかしですね、『文書』の内容は、やはりおかしいと思うのです。これ、非会員の保護者に対する『脅し』と言われても仕方がないのではないですか?それに、もしも、払わない親御さんがいらっしゃったら、どうするおつもりですか?」と問うた。

後者の質問に対しては、「きっちりと払っていただくようにしている。そうしないと不公平になるから。やはり、不公平はいけません。」とのこと。それに対しては、給食費のような公的性質のものとは大きく性質の違うものを「きっちりと払っていただく。不公平はいけない。」などと、どういうお立場でおっしゃることができるのですか?と問うとこれにはお答えがいただけなかった

文書のある意味、脅迫的な書きぶりの問題については、
「確かに、文書だけを見ると、そう取る人もいるかもしれない…。」
そこで、ぜひ次年度からは、このような誤解を招き、非会員の保護者を不安にさせるような文書を配布しないようお願いしてみた。
それについては、「連絡してもらってよかった。よく考えてみます。」ととても誠実で前向きなご返答をいただけたと思う。

なお、最初、校長先生が「どこが悪いのですか?」という態度をとられた背景には、市P事務局長の「お墨付き」があったようだ。「平城東のやり方で間違っていない。」と言われたと話し合いの前半でずいぶん強調されていた。ただし、それは後で校長先生自身がおっしゃっていたことだが、これまでの学校での実際の教育実践を分かってくれた上での「平城東は間違っていない」発言だったようだ。
それにしても、市P連事務局長というのは、ずいぶん権威があるのですね^_^;。

一方、「文書」そのものの問題としては、文科省からの問い合わせを受けたこともあり、奈良市の人権教育課に確認したが、「大丈夫」と言われたとおっしゃる。
「ほう?」と思った私は、人権教育課の方では、どのような理由で「大丈夫」と言っているのでしょうね?と問うと、「いや、知り合いがそこにいて聞いただけで、組織としての答えではないんです…。」とのこと。


現実に生徒への差別が行われないだろうということは、実際に校長先生とお話させていただき、そのお話しぶりからしてもよく分かった。問題は、やはり、「文書」の持つ、非会員の保護者に対するある意味の「脅し」である。それは「自分の子どもが差別的扱いを受けるかも」という親の極めてナイーブなところを狙ったプレッシャーとして、やはり、この「文書」そのものの問題性、そして、それを保護者に配布することを許可した校長先生の学校管理者としての行為に問題はなかったのかという点については、もう一度よくお考えいただければと思っている。

先生には、平城東の案件は、拙ブログの7.14の記事8.10の記事8.13の記事でも、不躾ながら取り上げさせていただいていることを申し上げている。そこに寄せられたいろいろな方の意見もぜひご参考になさってくださいとお願い申し上げておいた。

なお、平城東中では、PTA主催のものとして生徒の「高校見学会」を行っておられるようであるが、会員の子ども・非会員の子どもの「区別」は一切しておられないとのこと。
また、学校とPTAの線引きには注意をしておられ、北関東のどこかの県の例のように、学校主催の保護者会と学級PTAの境がないということもないようだ。「非会員の保護者が学校と連携が取りにくくなるということはないですね?」と問うと、はっきりと「ありません。」とお答えになられた。

なおなお、これはたいへんうれしかったのだが、新入性の保護者に対しては、

①入学式の時に会長から会の性質の説明をきちんと行い
②その上での入会の意思確認をきちんと行っている

とのことだった。

確かに、ある意味、平城東は、非会員の存在をちゃんと認めているという意味では、高く評価されるべきなのかもしれないなと、散々悪態をついた後で申し訳ないのですが、そうも思われてまいりました。

校長先生、今日は、いろいろとありがとうございました。
また、突然の不躾な申し入れ、平にご容赦くださいませ。