<68> #6

2009-11-13 23:53:07

続報4 市教委に聞いてみた(5つの要求、アンケート調査の結果他)

テーマ:PTA
先週の水曜日(11/4)、当地国分寺市教委を訪ね、PTA担当の教育部庶務課T課長とお話しさせていただいた。

まず、前回の話し合いのときに調べておいてくれることになっていた、(入会に際して)「承諾を得ている」と答えた中学校4校、小学校4校(計8校)が「任意加入の会」であることをどのように伝えているかの件であるが、ためしに中学校の2校について副校長に確認してくれたところ、いずれも、会の性質(PTAへの加入は任意であること)を説明してはいないようだった。
要するに、単に「入会届」を提出させていることをもって「承諾を得ている」と答えているわけだ。
そうした「やりくち」が十分すぎるくらいに予想できたので、当方は、質問の最初に「会の性質を説明しているか」を問うてほしいとお願いしていたわけなのだ。
この点を曖昧にしたままのアンケートを行ったことに関しては、率直に詫びて下さり、残りの学校についてきっちりと確認することを約束してくれた。


次に、先の記事で触れた、消費者契約法に基づく「5つの要求」を提示させてもらった。
*****
1.勧誘時に、会の性格(PTAへの加入は任意であること)を保護者によく説明すること。

2.勧誘時に、もしも役職がくじやノルマにより割り当てられる可能性があるのであれば、その旨、よく知らせておくこと。
※加入時に特段の契約がない場合、くじやノルマによる役職の割り当ては、民法643条違反になる。

3.勧誘時に、もしも有無を言わせず割り当てられる役職がある場合、その仕事の概要(必要となる能力・取られる時間等)を知らせておくこと。

4.(1,2,3を満たした上で)入会の意思確認をきちんと取ること。
(以上、消費者契約法に基づく要請。)

※入会の承諾を得るにあたっては、「承諾の任意性」の担保が配慮されるべきであり、「承諾の強要」はあってはならない。(参照:民法643条)

5.一任意団体が公教育の場である学校で活動する以上は、常に非会員保護者とその子どもの存在にも配慮を行うこと。
*****

消費者契約法の「逐条解説」において、PTAが同法における「事業者」のひとつに数えられていることを確認したうえで、当方の5つの要求と同法の条文の対応について説明した。

消費者契約法中における、「5つの要求」との関連箇所としては以下のようなものが指摘できる。
・第三条に、「(事業者は)消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない」とある。

・第四条二の2では、「不利益事実の不告知」が問題にされている。

・第四条においては、消費者契約における「重要事項」がとりあげられている。
「重要事項」とは、「消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう」と定義され、具体的には、「物品、権利、役務等とされている(四条4)。


同法に照らし、PTAにもろもろの「説明責任」が存することはかな~り納得いただけたようだ。
なのだが、その責任はあくまでもPTAにあり、教委や校長の責任については「どうなのでしょう?」という風だったので、2008.3に文科省から発せられた「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」の中で言及されている、

「人権教育の成立基盤」として、「全ての関係者の人権が尊重されている教育の場としての学校・学級」を作っていく必要がある。

という考え方について指摘させてもらった。
そこでは、教委、そして教職員には、学校を「人権尊重の精神がみなぎっている環境」にすることが求められているのだ。
学校の中で活動する団体に非人権的な動きが認められた場合、校長や教育長には、そのような団体に対して是正を求めるか、さもなければ学校から出て行ってもらうかのいずれかの対応をとる必要があるのではないか。

消費者契約法と「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」を踏まえ、今後PTA問題につき、どう対処していくのか、教育委員会としてぜひ検討してほしいとお願いした。


帰り際に、アンケート調査の結果を集計したシートの写しもいただいたが、それを見ると、いまだに
・教材費などの集金と一緒に学校で会費の徴収をしている。
・単独で学校で現金を集金している。
と答えている学校がかなりあることがわかった。
学校がPTAの代わりに会費の徴収等を行っている場合は、消費者契約法に言う「代理人・受託者」となり、説明責任が学校に発生することも指摘しておいた(第五条)。


(その他)
前回、アンケート調査において、「あえて加入の可否を確認はせず、加入として会費を徴収している。」と答えた学校に対して是正するよう指導してほしいとお願いしておいたが、上司である教育部長にそのような要請が市民から出ていると報告はしてくれたようだ。


(おまけ)
昨日、長野県塩尻市立吉田小学校と文科省初等中等教育局児童・生徒課(人権教育担当)に連絡をとり、吉田小学校PTAの行いは、人権教育研究指定校として極めて不適切である旨、申し入れをさせてもらった。
その時のやり取りについて、次にご報告したいと思います。





1 ■お疲れ様です。
ついに”本丸”ですね。

私は地方より発信し続けます。
「勝てば」の話ですが、市→県→文科省となります。そう簡単にはいかないでしょうが、まだまだ頑張ります。

学校の関わり(校長、教委の責任)について、施設使用許可の観点からも是非指摘してみて下さい。
使用の根拠について、もしかしたら当地のように曖昧なのかもしれません。

お立場は少し異なるかもしれませんが、私もスタートは”人権”であり”子供の権利と大人の勤め”を問題にしておりますので、これからもご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。


2 ■絶妙の指定とも評価できます(笑)
「人権教育研究指定校」のことですが、人権教育に関して「誤解」や「難」や「問題」などがある地域または学校を、文部科学省が選んで指定し、「しっかり研究してみませんか?」と呼び掛けている事業だと見なせば、なかなか絶妙な指定と評価できるような気持ちになってきました。
(優良PTA表彰も同様に絶妙な側面がありそうです)

3 ■Re:お疲れ様です。
>PTAのあり方とは・・さん
あり方さんこそ、お疲れ様でございます。

ご報告から漏れてしまいましたが、「施設使用許可」がどうなっているか問いかけました。

ですが、担当課長氏の反応は、「???」でした。
(国分寺市では、「PTA室」は設けていないとも。)
その反応振りに、その場では私もそれ以上突っ込めなかったのですか、後から考えてみると、T課長は、一方で、「PTAは学校とは別の団体である」と強調もされているのですよね。

「民立の別団体に市の施設を無償で貸し与える」以上、そこに公的な手続きが必要とされるのは当然ですよね。
この観点、次回は強く押し出したいと思っております。

こちらこそ、今後ともどうぞよろしくご指導くださいませ。

4 ■Re:絶妙の指定とも評価できます(笑)
>FJNさん
なるほど^_^;

吉田小学校が昨年度の文科大臣表彰優良PTAに選出されていることも、同じような意味があるのでしょうかね(笑)?

次回、選出担当者でもあるPTA担当係長のM氏とお話しする際は、この吉田小の件についても、しっかりと問いかけたいと思っています。
横浜や神奈川において、「自動加入」の学校が優良PTAとして表彰されていることは先にご報告したとおりですが、その時は、特に悪質なケースを見つけたつもりになっていましたが、吉田小のケースを考えると、むしろ、「優良PTA」のごく一般的な姿なのかもしれませんね。

「大臣表彰優良PTA」と「人権教育研究指定校」をターゲットにして、PTAがどのように運営されているのかチェックしていくのは、いい勉強になりそうですね!

5 ■無題
まるおさん、お疲れ様です。
そして何よりお勉強させて頂いております。

>すが、担当課長氏の反応は
>「???」でした。
>国分寺市では、
>PTA室」は設けていないとも。)

これはあり得ないですね。

役人の厚顔なところ
別な意味で見せつけられた気がします。

以前、スクールカウンセラーと話した折
役人の中にも大きな派閥があり
上の意向が末端まで届いていないこと
末端は末端で、報告をでっちあげていること
を知りました。

スクールカウンセラーの話では
要するに(キャリア)は理想論だけしか
押し付けない、現場の自分たちは大変だ
理想論は現実的でないので困る
そう言い切っていました。

問題は実行できない計画自体にも
あるように思います。100%の計画など
世の中にあり得ないことは理解できます。

ですが、その為に歪んだものを
よりよいものとする為、個々の要望に向き合い
ある程度、修正・補修しようとする誠意が
少しでも感じられれば、お互い譲る事も
できるのにと思うこともあります。

粘り強い行動力、尊敬致します。

私は何ができるか、子供にどう示せるか
できるとすれば、子供を犠牲にしても
PTA総会で任意に関して議論するか
だろうと思います。

相手がディベートと言う観点で議論に参加して
くれれば良いのですが、以前 言われたように
聞く耳を持たない場合、どう動いたらよいか
思案しています。次回の総会まで、約半年
迷いに迷いながら考えています。

6 ■Re:無題
>今回は匿名で・・・・さん
コメント、ありがとうございます。
現在、PTA問題は急速にいい方向に動いているように思います。
今週号のアエラの記事も素晴らしいですし、また、ますます多くの人が声をあげるようになっています。

先方が変わるのを少し時間を置いて待つのも一つの手かもしれませんよ。