<193> #7

2011-09-16 22:52:57

”全員加入”をめぐり「市民の声」への投稿と横浜市教委事務局よりのメールでの回答

テーマ:PTA
以前のエントリ、

<任意加入への道は遠し?>

<横浜市教育委員会のPTA入会に関するスタンスへの疑問(いじめを産み出す懸念)>

の流れで、横浜市「市民の声」に以下の内容の「投稿」をしました。


******************

教委が「全員加入」を要請するのは問題ではないでしょうか?

『「市民の声」の公表』での市教委からの「回答」中に以下のような発言があります。

***
PTA費は学校運営の中で児童全体にかかる事柄に使われ、児童個別ごとに分けることが難しいものであり、原則PTAの加入は任意ではありますが、全員加入をお願いしているところです。(教育委員会事務局北部学校教育事務所指導主事室 2011年4月4日)
http://cgi.city.yokohama.jp/shimin/kouchou/search/data/22005332.html
***

この発言には以下の疑問がありますので、お答えください。
① 「児童個別ごとに分けることが難しいもの」とはどのようなものか? 別回答の中で、「運動会等の参加賞」がその例に挙げられているが(5/6付回答)、「運動会等の参加賞」は「児童個別ごとに分けることが難しいもの」とは言えないのではないでしょうか?

② PTA会費の使い道は、それぞれの単位PTAごとに、また、それぞれの年度ごとに決められるべきものです。教育委員会がその使い道を、「PTA費は学校運営の中で児童全体にかかる事柄に使われ、児童個別ごとに分けることが難しいものであり」とあらかじめ規定してしまうことは、社会教育法12条に照らしても、越権ではないのでしょうか?

③ 教委として保護者「全員」に加入を要請されていますが、その要請は何らかの法令に基づいてのものでしょうか?
仮になんらの法令に基づかずにそのような要請をしているとしたら、国民・市民の「自由」に関する不当な干渉にあたり、憲法99条に触れる恐れがあるように思いますがどうでしょうか?

*****************


投稿してほぼ10日後の本日、メールにて回答がありました。
以下のようなものです。


*****************

○○ ○○様
 このたびは「市民からの提案」をお寄せいただきありがとうございました。
 ご指摘をいただきました件について、次のとおりお答えします。

 ①については、PTA加入非加入にかかわらず、教育的な配慮から参加の全児童に配布しております。
 ②については、PTA費の一般的な使い道を述べております。
 ③については、回答のとおり「お願い」であって、法令に基づくものではありません。


 平成23年9月16日
 横浜市教育委員会事務局 北部学校教育事務所指導主事室長  ○○ ○○
 (北部学校教育事務所  電話:***** FAX:*****)
 (市民からの提案 第23-300498号)

*****************

近日中に、横浜市のサイト<「市民の声」の公表>にアップされると思います。

私の質問に対して、正面から答えてもらえていないと思うのですが、当方の質問がどのように「要約」されているのかも早く見てみたいと思っています。

いろいろと疑問が渦巻いておりますが、まずは、サイトにアップされた内容を見てから、再質問をしてみたいと思っています。

こちら

にアップされると思いますので、ぜひご覧ください。





1 ■発表ナシですね
実は私も似たような内容の質問を送ったのですが、返事は着ましたが、HPには載りませんでした

まるおさんの質問の
①については、PTA加入非加入にかかわらず、教育的な配慮から参加の全児童に配布しております
これは運動会ですね

私の子供の学校(横浜市立某小学校)では全員に配られません
と言うか、PTA非加入者(今回の場合私です)
には、実費を払って欲しいと学校からの申し入れがあります
実際にはPTAが配るのではなく、親が学校を通し、PTAにお金を払い、さもPTAが配っている形をとっている
と言うのが正しい説明になります
なので、この教育委員会の答は、微妙な答です

最近は、市民の声に全てのやりとりが記載されないようですね
この事実も市民の声に聞いてみたいと思うほどです

私の質問は、
一私的団体が学校へ
我が団体へ所属する児童生徒だけに恩恵があるように対処して欲しい
(例えば、運動会の参加賞、卒業式の記念品、その他プリントもろもろ)
と学校に申し入れた場合、学校はそれを拒否すると思うので、PTAだけ優遇されるようなことが無いように教育委員会から学校へ今一度通達してもらいたい。
例えば、学校から○○行事参加者募集とプリントが配られる場合、全員がその行事に参加することが可能であることが当然であり
そこで、PTA(他の私的団体を含む)非加入者は参加不可となる場合、そのプリントを配らないなどの配慮を徹底するように学校に申し入れてください
と言う内容の質問を送りましたが、返事が着ませんし、市民の声にも載ってません

震災、放射能等で忙しいのでしょうか

2 ■そうです。発表なしです!!
>横浜市民さん
おととい痺れを切らして、市教委北部教育事務所に聞いてみました。
所長名での回答ですが、実際の担当は別でした。

結論としては、「お宅の問い合わせとそれへの回答は、発表はしないことにした。」とのことでした。
その理由は、「既出の発言を取り上げての質問だから」とのこと。
「既出の発言を取り上げての質問は、第三者にとっては分かりにくいから」だそうです。

こんな理由で公表しなくていいのなら、市教委の発言に対する市民側からの反論は、事実上、公表しなくていことになりますね。
これでは、市側は自分たちの言い分だけを公表し、市民側の言い分は「なきもの」にできてしまいますね。
疑問を感じています。

一昨日電話した時、この問題も含めて四点、再質問させてもらい、メールでの回答をお願いしました。
担当氏の上司である係長さんが出張されているらしく、回答は週明け前半になるとのこと。
回答が来ましたら、ご紹介したいと思っています。

***
私の子供の学校(横浜市立某小学校)では全員に配られません
と言うか、PTA非加入者(今回の場合私です)
には、実費を払って欲しいと学校からの申し入れがあります
***
これは、「PTA加入非加入にかかわらず、教育的な配慮から参加の全児童に配布しております」との発言と喰い違っていますね。


問い合わせに対して、公表するかしないかはともかくも、「回答はします」(2週間以内が目安)とは、広聴課の担当者氏も、北部教育事務所の担当者氏もおっしゃっていました。
おかしいですね…。

>震災、放射能等で忙しいのでしょうか
PTAに関する公表は、ここのところまったくなく、いっぽう、他のテーマについてはいろいろ公表されていますよね…。

3 ■再質問の内容
1.なぜ公表されないのか。

2.当方の質問①に対する回答は、回答になっていないので、再回答をお願いする。

*****
「運動会等の参加賞」は「児童個別ごとに分けることが難しいもの」とは言えないのではないでしょうか?
*****
この問いに答えてほしい。
当方は、「運動会等の参加賞」は、教材として各家庭が負担するハーモニカやワークブック等と同様に、「児童個別ごとに分けること」は、十分に可能であると考える。

3.質問の②、③では、社会教育法、憲法に照らして問題提起している。北部教育事務所の回答では、「法的に問題なし」とのスタンスであるようだが、弁護士等の法律の専門家の助言・チェックは受けているのか。

4.担当者氏の上司である、係長・課長・所長は、この回答内容につき、形式的な決済ではなく、きちんと把握しているのか。

先のコメントで触れたように、質問1についてはその場で回答がありましたが、2,3,4については上司の係長と相談の上回答するとのことでした。

なお、担当者氏には、
「北部教育事務所では、『月刊プリンシパル』(学事出版)での川端裕人氏のPTA連載は読んでおられるか? 読んでおられないなら、ぜひお目通しを。PTAが今急速に動きつつあることが理解できると思うので。」
と申し上げておきました。

4 ■異動を待ったほうがいいのかしら?
北部教育事務所って信頼できるのだろうか?
が、本音です
なんだか、北部教育事務所の返事はキレ気味ではないですか?
横浜市の教育委員長の返事ではないのがとても気になるのです
組織内部の事はよくわかりませんが、
横浜市の意見と言うよりも、北部教育事務所の意見なのだろうと思うと、市民の声なんて大元に伝わらないじゃないと思います
きっとこのブログを見ていると思われる関係者の意見を聞きたいです

PTAの問題なんて勝手にどうにでもしてくれ
教育委員会は関係ないのだから
と言うのなら、表彰とかP連とかにすら関わってほしくないです

教育委員会はPTAに完全なる無関係を貫くのであれば別にいいです
でも、表彰はするし、市民の声であえてPTAという項目を作るのだったらそれなりの責任ってあると思うのだけど、
(来年度なくなるかも?)
子供が学区を選べない不自由があるのだから
学区を選定している教育委員会は保護者の声を受け止めて欲しいです
PTAに疑問があるのならPTAのない学校に通うことは認める
と言うのならまだしも学区異動は認めない
苦情、相談一切聞かない
って教育委員会の都合よすぎです

5 ■横浜市教委からの再回答1
北部教育事務所から以下のような再回答がありました。

*****
 ○○ ○ 様

 10月20日に電話でご指摘をいただきました件について、次のとおりお答えします。

質問1
 9月18日に回答を電子メールでもらったが、横浜市ウェブサイト上に掲載されていない。その基準はなにか。
回答1
 基準としては「過去の投稿内容の要旨及び回答を併記しなければ、当該案件の投稿要旨及び回答内容が当該投稿者にしか理解できないもの」となり、非掲載としました。

質問2
 9月18日の回答①が、質問の回答になっていないので、再度回答をいただきたい。
回答2
 PTAからの運動会の参加賞を、PTA加入非加入にかかわらず、教育的な配慮から参加の全児童に配布しております。この点で、児童個別に分けられないと回答いたしました。

質問3
 「市民から提案」の回答は、法律専門家に内容を確認してから回答しているのか。
回答3
 外部の弁護士等の法律専門家に確認は行っておりません。

質問4
 指導主事室長名で回答が来ているが、指導主事室長はその内容について、確認(承認)しているのか。
回答4
 内容については確認しております。



 平成23年10月28日
 横浜市教育委員会事務局 北部学校教育事務所指導主事室長  ○○ ○○
 (北部学校教育事務所  電話:********** FAX:**********)

6 ■Re:異動を待ったほうがいいのかしら?
>横浜市民さん
>なんだか、北部教育事務所の返事はキレ気味ではないですか?

想定外の回答ですね…。

>横浜市の教育委員長の返事ではないのがとても気になるのです

確かに、PTAに関する質問に対して北部学校教育事務所がどのような立場と権限の下回答を行っているのか解せないところがあります。
その点につき、今度聞いてみたいと思います。

>PTAの問題なんて勝手にどうにでもしてくれ
教育委員会は関係ないのだから
と言うのなら、表彰とかP連とかにすら関わってほしくないです

表彰やP連に関わるだけならまだしも、教委として保護者に対して、「PTAへの全員参加」を要請していますよね。
これはどう考えてもおかしいと思われますので、この点をめぐっては気合を入れて、申し入れをしていきたいと思っています。

大げさなと言われるかもしれませんが、教委が保護者・教職員に対して、法的に一任意団体にすぎないPTAへの「全員参加」を求めることは、遵法と人権擁護の精神に対する挑戦だと思われのすので。
話が飛躍していると思われるかもしれませんが、教委がこんなことをやっていてはいじめもなくなるはずはないとさえ思っています。

7 ■日本型PTAを叩いてみれば、文明開化の音がする
横浜は、他の地区に無いPostmodernな土地柄のはずです。市民の声などは、良き導入事例ですよね。

私自身、PTAの根幹にあるはずの、本来の子供の為の活動ボランティアには賛成です。

ですが、一部の人間の私物化で(強制入会・強制圧力・同調圧力)が増す事には大反対です。

私たちは、迷信や慣習など、ふだんなにげなく受け入れている偏見や固定観念を、常に問い直す努力が必要です。

このような努力の積み重ねが、科学的かつ合理的な視点で物事を見極める習慣をつくりだし、ひいては差別へつながる偏見に気づくきっかけとなりました。

また、科学的かつ合理的な視点で判断し根拠がないと気づいたことでも、「みんながしている」からといって従ってしまっては、差別とわかっていても「みんながしているから自分だけやめることはできない」といった、差別がなくならない構造を崩すことはできません。合理的でないものは、世間に惑わされることなく従わないといった、毅然とした態度をとれるようにすることが大切です。(私は、文章の構築が苦手なので・同和問題のサイトから拝借してしまいました。すみません)

ふだん当たり前のように受け入れている言葉や迷信、慣習、世間体といったものすべてが差別につながるわけではありません。

しかし、見つめ直す努力をすることが、私たちの社会から差別をなくしていく道のりにはなくてはならないものなのです。

偏見を見ぬく力を身につけ、世間体に負けず差別を許さない行動をとることであり、あらゆる差別を解決するための努力でもあるのです。

政府のPTA入退会自由推奨キャンペーン
やりましょう。