<231> #13

2012-09-09 22:32:18

全員参加型PTAで「役職の強要」をなくせるのか? (経験者さんからの質問に答えて)

テーマ:PTA問題の実際的解決をめざして
皆さま、たくさんのコメントありがとうございます。
勉強させていただいています。

前々エントリ(8/23)に対していただいた「経験者」さんからのコメント(質問①~③)へのレスを考えていましたら長くなりましたので、エントリを立ててお答えさせていただくことにしました。


経験者さんからの質問①
>これのどこがリアリティが無いのか、逆にお聞きしたい。(コメント34)

経験者さんの改革案への疑問を以下、述べます。

<1>何が必要で何がムダかは誰にも決められない
経験者さんは、「まずやらなくていいことを減らして、20人くらいは強制しなくてもやってくれる人は来てくれるから、(以下省略)」と、ムダな仕事をなくせばPTA問題は簡単に解決すると主張されます。(コメント25)

しかし、「やらなくていいことを減らし」たら、ゼロになっちゃいませんか?
別の言い方をすれば、「やらなくてはいけないこと」って、あるのですか?

コメント34でお示しになっている三つの委員会の仕事の内容は、一見すると、「これなら確かに保護者は苦労しなくて済むよなあ」という簡略化されたものです。
しかし、ちょっと冷静に考えてみると、その三つの委員会の仕事内容って、別に「なくなったって誰も困らないもの」ではありませんか?
なくても、学校も、親も、そもそも子どもも困らない。
そういった活動を「保護者全員を巻き込んでまで」維持する必要があるのでしょうか?


<2>活動の膨張を止めることは難しい
次に、<1>の内容と密接にかかわることですが、「張り切る人」をどう抑えるのかの問題です。
もともとPTAには「子どものため、子どもがお世話になっている学校のため」という大義名分がありますから、「どうせやらなくてはいけないなら、【意味のある】活動をしよう」という人が出てきてもぜんぜんおかしくありません。
気合を入れてPTA新聞の編集をしコンクール入賞を目指したり、校外の安全のためにいろいろな活動に取り組もうとしたり。
このような動きは、あなたの言う「やらなくてもいいこと」を生み出すことになったり、また、所詮、素人の集まりですから、効率も悪く、あなたのような一線のビジネスマンから見たら「何やってんだ。オバさんたちが」という感じになるのかもしれません。
でも、それではいったい、そういう動きをどうやって抑えますか?
そして、もし抑えられたとしても、あとに残るのは、コメント34に示されているような【ほとんど無意味】な活動になってしまうのではないでしょうか。


<3>地域や学校から依頼される仕事は断りにくい
<2>でとりあげた会員からの内発的な仕事の増加に加えて、学校や地域から依頼される仕事が多々あるPTAも多いです(あなたの地域はこの点において相当に恵まれているようですが)。
地域ぐるみで仕事を頼まれる場合、よその学校はこなしていることが多く、自分たちの学校だけ抜けるわけにはいかないという大きなプレッシャーもかかるわけです。
地域や学校から押し付けられる仕事をどうはねのけますか?
しかも、ややこしいのは、保護者の中には、「地域や学校から依頼される仕事」を、まさに保護者が積極的に取り組むべき【本来の仕事】と感じる人もいることです(そういう熱心な人がいること自体何も不思議ではないし、悪いことではないですよね)。


以上、三つに分けて述べてきたことをまとめますと、「無駄な仕事をなくせばいい」と言っても、なくしていけば会としての存在意義がなくなりかねない。いっぽう、仕事が増えていく要因は内部的にも外部的にも存在します。

「仕事の強制的な割り当て」をしないことには会が回らなくなるのは、“全員参加型PTA”の「構造的必然」だと言うべきではないでしょうか?


経験者さんからの質問②
>非会員が発生すると、どうして彼らに対してのプレッシャーになるか意味がわかりませんが、分かりやすくご説明してもらえますか?(コメント41)

<4>PTAの「暴走」を防ぐためにも、入退会自由の確認・周知は必要
入退会自由になれば、「無茶なことをすれば会員がいなくなり、会が消滅するかも(汗)」という健全な危機意識が執行部や学校・教委側に生まれるはずであるということです。
「入退会不自由」な状態では、執行部や、教委・学校幹部などのやりたい放題になりがちですから。
(この考えは、川端さんの『PTA再活用論』でも紹介されていますのでご参照いただければと思います。)

あなたが言うところの「極悪非道の教委」に対抗するものがあるとしたら、「保護者一人ひとりの自由意思」ではないでしょうか。
あなたの唱える「全員参加体制」は、その大切な自由意思を縛ってしまうという点で賛成できません。


経験者さんからの質問③
>私は退会者が出ることを、目の敵にしてるわけじゃありませんよ。自分の経験上、必ず大きな軋轢が生じて、退会者が幸せになれないと確信してるから、そういう人を出したくないだけです。
日本には言論の自由がありますから、退会者への風当たりを防ぐ手立てがありません。
(コメント41)

<5>役職の強要をめぐる軋轢にも目を向けるべき
あなたは「『退会者』はピラニアの餌食になる」と退会者の心配ばかりされていますが、今現在、役職を押し付けられて困っている人は、どうでもいいのですか?
「役員決め前より相当不安が高まります、女性に関しては少なからず当院受診の理由としてこうした活動に関するものです。」といった精神科のお医者さんの発言とか、ご存じないですか?
(精神科 本当の話 PTA・地域活動に悩む母親たち(2011.07.18)

最近でも、北海道のmoepapaさんのブログでPTA活動により追い詰められたお母さんの話が取り上げられていますよね。その他にも、似たような話はネット上にあふれているといっても過言ではありません。
いっぽう、退会をすることで追い詰められたという人の話はあまり聞きません(リスクがないと言っているわけではないので、誤解なきよう)。

そもそも、役職の強要がなぜ横行しているのかと言えば、誰かがやらなければ自分にお鉢が回ってくるからではないでしょうか。
その大きなストレスが母親たちに「冷酷非道」なこともさせているのだと思います。
いっぽう、会費の方は、「入会しない人がいる分だけ自分たちの会費が値上げされる」というのならばまだしも、ピラニアを活性化させるというのはちょっと想像しにくいです。
和歌山の件をきっかけに、PTA会費から学校への寄付金が減っていくなら、会費の問題はなおのこと問題になりにくいように思います。






1 ■無題
うなずきながら読みました。

0%から100%までのグラデーションになっていないと、入退会自由宣言しても大惨事になるだけ
と経験者さんは書かれていますね。
そしてその決めつけの根拠もまだ提示頂いていません。

私としては、まるで逆だと思います。
入退会自由が保証されていないから、グラデーション化が許されない雰囲気になるのです。義務だと思ってますから。
経験者さんのところで、入退会自由を隠したままグラデーション化が達成できたのは、経験者さんの強制的なメス入れがあったからで、一般的には難しいと思います。
「難しくない。だれでもできる。他のところでできないのは、お母さんたちがもっと怒らないから悪いんでしょ」
という発言もありましたが、なら、「効率悪いPTAは、やってる人が悪いだけ」という結論にしかなりませんから、長々と議論するに値するようなものではないですね。

私としては、経験者さん的な考え方を一律に斬って捨てるものではありませんが、汎用化できない話をベストで唯一な解決法のように言われてもなぁと思います。
でも参考になる人もいるかもしれないから、ここでヤジってるんじゃなくて方法論確立して普及に励めばいいのにって思います。
2 ■まるおさんへ
ご無沙汰してます。
以前ブログに登場させて頂いた時の「シンポジウム」のお話しなんですが…
1月に講演の枠があるんですが、いかがですか?
大学に連絡するのは失礼と思いましたので書き込むさせて頂きました。
追放されたのに申し訳ありませんm(__)m


連絡待ってます。
3 ■素晴らしい回答
まるおさんの言われることは、いつも腑に落ちるので素晴らしいです。
私もいつも参考にさせてもらっています。
4 ■くまちゃんさんへ(まるお)
こちらこそ、ご無沙汰しています。
お互いに不本意な決着になっていましたが、こうしてまたお声をかけてくださり、ありがたく思っています。

シンポジウムの件ですが、前向きに考えさせていただきたいと思います。
ただ、ひとつ、お願いがあります。
くまちゃんさんは、以前の拙ブログへの最後のコメント(コメント381)で、「海老名市のPTAのことには今後口をはさまないでくれ」という内容をかなり強い調子で言っておられましたね。
http://ameblo.jp/maruo-jp/entry-11235198673.html#c11907801447
その発言を取り消していただけませんか。

その発言は、心外でしたし、今も不当だと思っています。

しかしながら、今回の御コメントを読ませていただき、熊切さんが言いたかったのは、「個別の事象をあげつらうのではなく、PTA問題全体の解決に向けで動くべきでは」ということだったのかなあと思ったりもしました。
今後は、個別事象の考察・問題提起を続けつつも、PTA問題全体の解決の方に重心を少し移していこうかと思っているところです。

お返事、お待ちしています。
5 ■まるおさんへ
>まるおさん

お返事有難うございます。

「海老名市のPTAのことには今後口をはさまないでくれ」という内容をかなり強い調子で言っておられましたね。
http://ameblo.jp/maruo-jp/entry-11235198673.html#c11907801447
その発言を取り消していただけませんか。

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
まるおさんからの要望ですが…
答えは…
取り消すつもりはありません。
申し訳ありませんが中途半端な気持ちで今のPTAでの役職を受けてませんし、海老名市のPTAに絶対の自信を持ってますから。

まるおさんのブログはPTAという組織で嫌な思いをされた方々の貴重な意見が認識できるものと感じます。
ただ…
文字のやりとりではなく、同じテーブルで顔と顔を見ながら議論してみることこそが大事だと…

私が発言を取り消さないからシンポジウムには応じない!!
そんなことなしで!!

朝日新聞にコメントされるほどのPTA問題に精通した方はまるおさん以外に見当たりません。
是非ともシンポジウムへの参加の程、よろしくお願いしますm(__)m
6 ■くまちゃん、まるおさんへ
すみません。観覧席から呟きます。

・主催は誰なんだろう。くまちゃんなのかしら。
・どういう主旨の講演会・シンポジウムなんだろう。
・どんな規模なんだろう。
・大人動かすのに、金銭の話はしないのかなあ。
・日程のすり合わせは済んでいるのかなあ。
・海老名市PTAに絶対の自信があるくまちゃんが、PTA問題を提示するまるおさんに声をかけているのは、何故なのかしら。(主旨が何かに、絡みますね。)


上記は当然わかっていることだから、話題になっていないのかしら。私が無知なだけか。お二人できちんと話している事柄なのか。

今後のやり取りが、揚げ足取りにならぬことを願います。
7 ■Re:くまちゃん、まるおさんへ
>ぽぽさん
私もそう思います。
また、神奈川県PTA協議会の今年度の副会長の欄にに「熊切豊」という氏名はありますけれども、その人と、ここにコメントを書いている「くまちゃん」が同じ人なのかどうか、客観的に証明されていません。
昔のコメントを見て「くまちゃん」というHNの人が本人的に「ワイルド」に登場したのはわかりますが他人的に読解すると「チャイルド」な気がします。
8 ■くまちゃんさんへ(まるお)
>まるおさんからの要望ですが…
答えは…
取り消すつもりはありません。

たいへん残念ですが、
今回のお話はなかったことにさせていただけたらと思います。
(ブログ等での意見交換でもシンポジウムと同じような役割をある程度果たせているようにも思いますし。)


ただ、くまちゃんさんの

>文字のやりとりではなく、同じテーブルで顔と顔を見ながら議論してみることこそが大事だと…

とのお話には「そういう面は確かにあるかもな」という気がしました。
もっとざっくばらんな形での、膝と膝とを突き合わせての率直な意見交換は必要なのかもしれませんね。

もしお気が向かれましたら、またお声をかけてください。
(ただし、ノンアルコールで、かつ「ここだけの話」というのは基本的にはなしでお願いします。<(_ _)>)

まるお拝
9 ■まるおさんへ
>まるおさん

了解しました。
10 ■このエントリから連想される5月の意見交換
このエントリについて、ブログにおける意見交換の連動性に関してメモします。
「リアリティ」や「ゼロになること」については、「海老名市教委に情報提供とPTA正常化に向けての申し入れ」というエントリのコメント欄で、今年の5月末ころに意見が交換されています。
具体的には、<コメント227と228■経験者さんの「解決策」への疑問(上)(下)>があり、そのレスとして<コメント231と237>があります。
http://ameblo.jp/maruo-jp/entry4-11235198673.html#c11885673456
11 ■姫路さんへ
コメント7について

当時、なりすましを懸念し、神奈川県教委所管課へ一報入れさせていただきました。
12 ■Re:姫路さんへ
>匿名さん

HN「くまちゃん」の当時のコメントは、「PTA」関係者を笠に着た「脅迫」だったゆえ、神奈川県警と海老名市教委に入れられた一報もあったような気がします。


13 ■半年遅れですが
まるおさま

わざわざ、私のコメントについてスレを立てていただいたようですが、海外長期出張でお答えできなかったので、超遅レスですが、お答えします。
>その三つの委員会の仕事内容って、別に「なくなったって誰も困らないもの」ではありませんか?
なくても、学校も、親も、そもそも子どもも困らない。

これって、実質学校の宿題だって書きませんでしたっけ。この3委員会をやらないと、学校は確実に困ります。

2番目の膨張を止めるのをどうするか。
これも書きましたよね。活動を前後期に分ける、活動回数の上限を設定するとか、活動を競わされるようなコンクールにも参加させないとか、いくらでもやりようはあります。
それと、そもそもPTA活動の何が有意義で、そうでないかなんて、あなたがとやかく言うことではありません。

>地域や学校から依頼される仕事は断りにくい
よその学校がやってようが、子供の教育に関係ない仕事は断りました。やれるかやれないかは、リーダーが腹をくくるだけでしょう。地域や学校から依頼される仕事を受けるか否かは、役員会で決めます。私が断るのは、動員を断るだけで、個人的にお手伝いしたい人の行動や判断を拘束するものではありません。

仮に保護者が300世帯いて、誰一人PTAの仕事を手伝ってくれない方が異常じゃないですか?

ちゃんとやり方を見直し、委員や役員になった達成感を感じられる運営方法に変えれば、自分からやってくれる人たちは集まります。
達成感が得られるようになると、一人1回どころか、3回4回とやっていただける人も出てきます。

最後に入退会自由の告知ですが、これはやるべきでしょう。私は入学説明会で任意団体であり、強制ではないことも説明してました、入会申込書兼会費引き落とし依頼書も書面で全世帯からいただいています。
もちろん、活動内容、趣旨を理解のうえ全世帯の加入をお願いしていますが。