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2010-02-05 15:07:18

文科省との対話(8) 報告篇① 残念な回答とそれへの反論

テーマ:PTA
また延び延びになってしまったが、先週の水曜日(1/27)、係長氏に電話を入れ、前回の申し入れについての回答を求めた。

「入会のありかた」を優良PTAの選考基準に入れるようにとの当方の要請につき、上司である社会教育課地域・学校支援推進室室長とも協議のうえ、返答してくれた。

<「『入会のありかた』は今後も問題にするつもりはない」>
あろうことか、選考基準に「入会のありかた」を入れる件については、「現在も入っていないし、今後も入れる予定はない。」という答え。
なぜそういう返答になるのか問うと、
「入会方式は文科省が決めるものではない。」
と。
過去の通知・通達の中で明示されている「自由入会の精神」についても、
あくまでも「望ましい」ありかたを示している【だけ】
と言うのだ。
まるおのつぶやき:【だけだ】と言うが、そもそも「望ましい」PTAを表彰するのが優良PTA表彰制度ではないのか??
再三言っていることだが、そのロジックは取り締まれないことの一応の言い訳にはなっても、不良PTAを表彰することを決して正当化するものではないと思う。


では、文科省は、「自動入会」もPTAへの入会のひとつのありかたとして認めるのか?と問うと、
「もしも問題を感じるなら、会員の中で話し合い、望ましい形にしていってほしいと考えている。」
とのこと。

「自動入会」とは、まだ会員ではない保護者を有無を言わせず会に巻き込む方式なのであるから、「会員の間で話し合ってほしい」というのはおかしいではないかと問うと、ここは、ずいぶん分かっていただけたようだ。

まるお注:今回、ここはそれ以上突っ込んだ話ができなかったが、もしもこの点についての当方の主張を認めるなら、「自動入会」のPTAを優良PTAの名で表彰することなどあってはならないはずだ。この点の詰めはできなかったので、近々再度申し入れをしたいと思っている。なお、「自動入会」の不適切性については、最近、カワバタさんも改めて論じておられる。
(「今さらですが、PTAの自動加入がいけないわけ。そして、退会条項が必要なわけ。」)

特に関連のある部分を引用させていただく。
*****
なぜ、自動加入がいけないのか。
行政の見解にヒントがある。
「会員が話し合って決めたこと」なら、たしかに、文句を言われる筋合いはない。
ただし、それに拘束されるのは会員だけだ。
PTAは通過的団体で、次々に新しい人がやってくる。
そして、「新しい人」は最初は会員ではない。
だから、PTAで話し合って自動加入にしたのだとしても(実は、話し合わず、ただなんとなくそうなっているケースが多いかもしれないけれど)、「新しい人」はその決定に拘束されない。
入りたい人は入り、入りたくない人は入らない。それでよいはず。
*****

そう、「新しい人」への拘束。
これが問題なのだ。

<「じゃあ、調査票であれこれ問題にしているのはなんなのだ!?」>
「入会のありかた」について、現在直接的な形で問うていないのは事実として承知しているが、「今後も質問項目として入れる予定はない」というのは、何を根拠にした発言なのか問うた。
すると、
「PTAのありかたはそれぞれが考えることだから。」
とのこと。
そんなばかなことはない。であるなら、会の内部で話し合って「全員加入」であると決めたら、その学校に子どもを通わせる保護者は入会・非入会の選択肢を奪われることになるが、そんなことが容認されるのか?と問うた。

「…。」
返答なし。

「それに、『それぞれのPTAが考えればいい』と言うのなら、そもそも優良PTA制度などというものは必要ないのでは?」とも言わせてもらった。

「…。」
また返答なし。

せめて「被表彰候補団体調査票」の(記入例)の中に入れることは検討されてしかるべきではと言うと、それについても消極的な反応。
「文科省があれこれ言うのは不適当である。」
と。

では、「被表彰候補団体調査票」中の(記入例)に挙げられている、事細かな「誘導」はどうなるのか?問うた。
※ここで「調査票中の事細かな『誘導』」と言っているのは、こちらの記事赤字で示している部分です。

赤字の部分をご覧いただけばお分かりいただける通り、すでに文科省は、加入率や教員の参加具合、総会の開催回数と出席率、夜間パトロールをやっているかどうか、その他、その他、まああれやこれやと問うているわけです。これらを問うことは「あれこれ言う」ことにはならず、なぜ「入会の方法」を問題にすると、「あれこれ言う」ことになるのか? 全く理解できないと問うと、
「…。」
またまた返答に窮される。

この点は納得してくださったようで、今後、「入会のありかた」を、たとえば、「調査表」の(1)のア「組織が良く整備されていること。」の(記入例)の中に入れることを検討していくことを約束してくれた。
前にも触れたように、そもそも調査票の(1)のアは、もともと「入会のあり方」を【も】問うている質問だと考えるべきだと思うのだ。

なお、話し合いの後思い至ったのだが、文科省は「入会のありかた」を問うのは教育行政として越権であるかのごとく言うわけであるが、実は、神奈川県教委は問うているのですがね。これはどう説明されるのだろうか? 神奈川は神奈川と言うなら、神奈川県教委は問うことができて、文科省は問うことができない法的根拠はあるのですか?と言いたい。


<「任意か否かは微妙」発言は撤回>
前回、係長氏は「PTAへの入会が任意であるか否かは微妙」との発言をしたわけであるが、この点については事実上の撤回をされた。「その趣旨に賛同するものの参加が望ましい」とされている「42年の答申の通りだ。」と明言された。
となると、前回の話し合いでの
「任意か否かはPTAの根本に関わる微妙な問題だから、『自動加入』をやめさせるべく動くことは難しい。」
との発言は、修正してもらわないと困りますね。


以下は、今回の話し合いを踏まえ、次回の話し合いで問いかけてみたいことです。

<自動加入のPTAの容認・称賛は、憲法および「通知・通達」に違反する行為ではないのか?>
入会のあり方とは、係長氏が言う通り、まさに会のありかたにとって「根本的な問題」である。
その大元のところであるべき姿から逸脱している団体を文科大臣の名前で優良なPTAとして表彰するのはどう考えてもおかしいと思うのだ。
根本的な問題であればこそ、あるべき姿から逸脱している団体をそれと知りつつ優良PTAとして表彰することは、組織の既定の方針(「通知・通達」)に忠実であるべき文科省の一部局、一職員として問題であるだろう。
また、ことは、憲法で保障された国民の自由権に関わる問題でもある。

文科省の一部局、一職員が自動加入のPTAを放置するのみならず優良PTAとして表彰することは、憲法に照らしてと、過去の通知・通達に照らしてとの二重の意味で問題行為ではないのか?

この点、ぜひ次回問いかけてみたい。


ところで、その翌日、神奈川県教委に連絡を入れたところ、またまた残念な回答が…。
それについては、次のエントリにて。