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2010-02-10 10:36:30

「任意団体であるPTAの会員の資格については、それぞれのPTAが自主的に決定すべきもの」

テーマ:PTA
(まえがき)
昨日、以下にご紹介する文書の重要な「意味」に思い至りました。そしてそのことは昨日の文科省との対話にあたっても大きな意味をもったと思っています。

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タイトルの文言は、制限字数の関係でややはしょったが、かつて(昭和46年年初)、「会員の資格要件」に関して日本PTA全国協議会から発せられた照会に、文部省社会教育局長(当時)今村武俊氏が回答した文書中に出てくるものである。

日Pからの照会と文部省の回答の全文を引用しておく。

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◇PTA会員の資格について
【PTA発第46号/昭和45年12月24日/日本PTA全国協議会 会長 野老 誠/文部省社会教育局長 今村武俊殿】
PTA会員の資格要件について照会
 このことについて、昭和42年8月8、9日福島市において開催された、本会主催、文部省後援のPTA創立20周年記念大会において林部文部省社会教育課長殿より次のような趣旨の御助言を賜わりました。
   
「昨年6月の文部省社会教育審議会の報告は、PTA会員の構成の原則を示したものであって、現に子どもを就学させていない者を機械的に排除するものではない。現に子どもを就学させていない者でも、PTA活動に理解をもち、それに協力する者の入会は、民主的民間団体の良識において判断し、これを認めることはあってもよいであろう。ことに単位PTAよりなる連合体や、全国団体においてはその団体の社会的比重を重くし、その活動の活発化を図るため、役員として現に子どもを就学させていない有識者を迎えるような構成があってもよいであろう」
 
 このことについては、ひとり林部課長殿のみならず他の文部省関係官殿よりもその都度口頭にて御助言をいただいています。就いては、この助言の趣旨は、文部省の正式見解と了解してよろしいでしょうか。

◇PTAの資格要件についての回答
【雑社第12号/昭和46年1月11日/日本PTA全国協議会 会長 野老 誠殿/文部省社会教育局長 今村武俊】
PTA会員の資格要件について(回答)
 昭和45年12月24日付けPTA発第46号をもって照会のあった標記の件について下記のとおり回答します。
                      記          
 父母と先生の会(PTA)は、その目的、性格からみて、通常、在籍児童生徒の親と教師から構成されるのが適当であることにかんがみ、昭和42年6月23日の社会教育審議会の報告「父母と先生の会のあり方について」は「父母と先生の会(PTA)は、学校に在籍する児童生徒の親および教師によって、学校ごとに組織される」 としている。
 しかし、自主的な任意団体であるPTAの会員の資格については、本来それぞれのPTAが自主的に決定するべきものであり、当該PTAがその円滑な運営のために必要であると考える場合には、在籍児童生徒の親でない者を会員にすることは差支えないのであって、上記報告も、このことを否定する趣旨のものではない。
(太字、改行等、引用者。)
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※上記文書は、『PTA年鑑 総集版』(1972、PTA新聞社)より。
なおなお、上記文書は、FJNさんのブログ(とどくおもう Ⅱ)から孫引かせていただいています<(_ _)>。


さて、なぜながながと会員の資格をめぐる日Pの照会と文部省の回答を紹介してきたのかと言えば、「こういうことであるならば、何も問題はない」ということを示したかったからだ。

会員を教職員と保護者のみに限定しないで、保護者以外の「PTA活動に理解をもち、それに協力する者」にも会の門戸を開くか否かは、まさに「民主的民間団体の良識において判断」すべきことである。
    
保護者以外の者を会員として認めるか否か。
このような点に教育行政が「あれこれ言えません」というのは、よ~く分かる話である。

だから、
「自主的な任意団体であるPTAの会員の資格については、本来それぞれのPTAが自主的に決定するべきものであり、当該PTAがその円滑な運営のために必要であると考える場合には、在籍児童生徒の親でない者を会員にすることは差支えないのであって、上記報告も、このことを否定する趣旨のものではない。」
という、当時の社会教育局長の回答には、その意味で何の文句もない。
極めてまっとうなことが述べられている。

しかし、「自動加入」を認めるか否かということになると、話は全く別である。

「自動加入」を認めるか否かをめぐり、現文科省と神奈川県教委の行う回答は、この46年の文部省社会教育局長による回答を下敷きにしていると思われるのだが、「拡大解釈も甚だしい」と言いたい。


保護者以外に会の門戸を開くことに、人道上、遵法上の問題は何もない。
まさにその会自身が「良識」において判断すること。

いっぽう、「自動加入」は、国民・保護者の人権、思想・信条の自由をないがしろにするものであり、一言でいえば、「公序・良俗」(民法第90条)に反する疑いが濃厚である。


改めて聞きたい。
「自動加入」を実施するか否かは、「民主的民間団体の【良識】において判断できる」ようなことなのか、と。





1 ■「自動入会」の背景にあるもの
まるお様、本当にお疲れ様です。
私も「クレームの電話を入れたい!」と思いましたが・・・じっと我慢の子でおります。

この自動入会の背景、やはり学校側の関与が大きいものと思われます。
当地教委の以前の回答は「消費者契約法適用については契約者個々の事例により判断されるべき」とておりますが、学校が目的外使用許可を出さず自動的に許可更新している現状において、又、公序良俗に反する強制の実態がある中で、「個別の事例」が通用するのか、ということです。
特に、学校側がPTA会費を代理徴収しているので、やはり、学校との関係悪化を恐れる保護者はPTA入会を拒絶出来ないものとして、学校の関与は「誤認の要因」となっているものと考えます。

そもそも、渋谷区監査委員会の指摘にあったとおり、学校側はPTAから委任を受けているかどうか、委任を受けていないのであれば、これは積極的関与となりうるものと思われます。
(長文失礼しました。)

2 ■Re:「自動入会」の背景にあるもの
>PTAのあり方とは・・さん
出張のお疲れは、少し取れましたでしょうか?

>学校の関与は「誤認の要因」となっているものと考えます。
そうですね。
さらに、民法96条の詐欺又は強迫ともつながっていく話のように思います。

>委任を受けていないのであれば、これは積極的関与となりうるものと思われます。
確かに。
さらに言えば、「委任」を受けていればいいものでもないと思います。

3 ■Re:Re:「自動入会」の背景にあるもの
>まるおさん
>出張のお疲れは、少し取れましたでしょうか?
お陰様で。今回は物産展でしたので、収支報告もようやく終了し、ぼちぼち開示資料の検証にとりかかろうと思っているところです。

>さらに、民法96条の詐欺又は強迫ともつながっていく話のように思います。
>さらに言えば、「委任」を受けていればいいものでもないと思います。

はい。私もそう思います。
「委任」については役人関係の監査委員の見解ですが、私は、これはあくまでも私費会計ですので、委任は保護者と代理徴収する学校側との個別契約であるべきことだと思います。つまり、支払う・支払わないの選択枝が設定されていなければいけない、と考えます。